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初めから何もない恋

「なんだそれ」


マサシはポップコーンをほおばりながら話し始めた。


「いや、なんていうか。彼女すっこい美形でさ、スチュワーデスだっていうから・・・


ホラ、オレってそういうタイプに弱いとこがあるじゃん」


「あるある」


マサシはポップコーンに次々とfを伸ばす。


どうやら変に照れているらしい。確かに良い話ではなさそうだ……。


「ポーッとなっちゃってさ。で、彼女のほうも、商売柄っていうか、なんていうか、一応優しかったりしてさ」


「どこで」


「だから飛行機の中で」


「それ、当り前じゃないの」


「だから初めから何もないって言ってるじゃないか」


フジワークはマサシのために新しくポテトチップスの袋を開けた。


初めから何もない恋だって、確かにあるのだ。


そんな恋でも、失くせば痛手を負うものだ。


「フジワークはどうなんだよ。そそ、そういえばなんかの週刊誌に順子さん出てたぜ。


スペシャリスト・ウーマンの特集とかそういうやつでさ、デザイナーとかアナウンサーに混じってインタビューされてたぜ。見た?」


「ううん、いや」


「相変わらずきれいでさ。写真入り!」


「相変わらず気が強そうで?」

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